通訳案内士は、語学系の国家資格としては唯一のもので、そこそこ難しい試験という位置づけにありますが、その難しさには比例せず、これを専業として行くには難しい資格になります。

 

通訳案内士法には、報酬を受けて、外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する業を営もうとする者は観光庁長官の行う通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けなければならないとされています。(通訳案内士法第2条、第3条、第18条及び第36条)

また、登録を受けないで報酬を得て通訳案内を業として行うと、50万円以下の罰金が科されます。(通訳案内士法第40条)

 

しかし、まずはこの資格がないにも関わらず、ガイド行為を行っているヤミガイドが大勢いて、それを使う旅行会社という問題があります。

次に、通訳案内士の就労形態として一番多いのが、旅行会社からの請負契約としてのガイド受注、要は旅行会社の下請けでとしてのフリーランサーです。

訪日する団体外国人観光客の受け入れは一部の大手旅行代理店数社に独占・寡占されています。

通訳案内士は、その請負の下請けとしての立場で、企業に雇われておらず、身分は安定せず、収入も外国人観光客次第です。

その収入も一日当たりいくらという形態で、大体新人で25000円くらいからで、トップガイドで50000円。

年間200日ガイドをすると、トップガイドでも50000円×200日=一千万円。トップガイドがほぼ一年中頑張って働いてこの金額です。これが通訳案内士の年収の天井で、これ以上は望めません。

しかし、これも最大限の数字で、観光庁の統計では、通訳案内士の年間収入が300-400万円が26%くらいで、400万円を超えるのが10%弱と、薄給の人が多いことがわかります。

 

そのような中、いかにこの資格で食べていくか?

いろいろとセミナーなどが開催されていますが、その中の一つ、ハロー通訳アカデミーの植山学院長が主催された”通訳ガイドで食べていく方法”という去る3月6日に行われたセミナー、ユーチューブにアップされています。

Youtubeのサイト
私はこのセミナーに行けなかったので見逃したと思っていましたが、ユーチューブにアップしていただいたおかげで、このセミナーを見ることができました。
このセミナーは、下記3名のスピーカーによる講演で構成されています。
  • 従来の旅行会社からの受注によるトップガイドの男性
  • ホームページを活用した、旅行会社に頼らない受注をしている女性
  • 通訳案内士の資格を持っている中小企業診断士の男性によるホームページ等を用いた集客の方法

特にこの3番目の方の講演は参考になります。

まずは自分の強み・弱みを把握して、戦略を考え、他と違う点を特徴として、誰にも負けない・大手に負けない独自のスタイルを作り、それを個人で小規模の強みを生かした方法で、ウェブを中心とした集客で、世の中に売っていく。

大手の旅行代理店が寡占しているインバウンド旅行業ですが、大手旅行代理店に頼らない、このような通訳案内士の個々の取り組みが、現在の状況を変えていければ、と思います。

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